Sakak's Gadget Blog

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【ガジェット】形を与えることは難しくもありドラマチックでもある

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Googleがホームエンタテイメントシステムを開発=WSJ紙【湯川】 : TechWave

正直言うと、期待半分、不安半分といったところが私の第一印象だ。GoogleはOS、プラットフォーム、アプリを作るのが得意でも、形あるものを自社で本格的に作るというのは、おそらく経験がなく、そう簡単にはいかないのではないかと思っている。

 

「企画やアイデア」と「形にする・製造する」との関係性について、アップルのデザイン部門チーフ、ジョナサン・アイブは次のように述べている。

「今の時代のもの作りの現場で起こっている問題は、製造というものが外注に出され、企業の本部やアイデアを持った人々が集う場所から離れた所で行われるようになったことによる。その結果、多くの企業が自分たちのプロダクトとの関係性を失い、プロダクトというものがただの目的達成の手段ではないということ、ただ金を生み出すための手段ではないということを忘れてしまったと思うのです。」

企画やアイデアを持っている人達と、作る人達が、組織や会社をまたぐことで「思い」が断ちきれてしまえば、その製品の魅力を失うことになる、というふうに私は受け止めた。

 

さらに、ジョナサン・アイブはこうも述べている。

「アップルにおけるインダストリアルデザインとは、チーム一丸となって取り組む創造的なプロセスの一部といえます。そこでチームとして働くことが刺激的なのは、創造的なプロセスが必ず1つの考えから始まり、やがてそれが1つの会話になるからです。するとそれはより包括的なものになっていく。そしてその会話から生まれたものに形を与えることこそが、プロダクト開発において最もドラマチックな点となるのです。」

つまり、「形を与えること」がプロダクト開発において、最もドラマチックな点、だと。ここが楽しくて、俺たちは仕事やってんだ、ってことだよね。

 

Googleは、今まで「形を与えること」をやっていない。「形を与える」には、多くの経験とノウハウが必要だ。Goole TVではメーカーに丸投げだったGoogleが、今回は「ホームエンタテイメントシステム」という分野で何をする気なのか?(今のところ)ピンとこないが、やるからには我々の想像を超えるような「形ある何か」を見せてほしい。

 

優れたプロダクトは、見れば(見るだけで)それが我々に何をもたらすのか、わかるはずだ。楽しみがまた1つ増えたね。

 

■出典:月刊カーサ ブルータス2012年3月号「Appleは何をデザインしたのか!?」ジョナサン・アイブ インタビュー