2012年2月15日、hpより下記の新モデルが発表された。
▼HP Z1 発表、Xeon / Quadro 構成も選べる27型ディスプレイ一体型ワークステーション/engadget
■スペック
- CPUは、エントリー向けSandy Bridge E3系(昨年4月に、発表済み)。上位モデルは今春から発表予定のCPU搭載。E3系は、ハイエンド向けのCPUではないが、4コア3.5GHzであり、従来のCPUと比べ能力が低いということではない。
- 27インチディスプレイと本体が一体となっている。本体のデバイスに、ツールレスでユーザが容易にアクセスできる。(パネル全体が開口する)
- グラフィックは、Quadroのモバイル向けのタイプ(Q4000M等)。Z1シリーズの実体は、「(拡張性の高い)モバイルワークステーション+27インチディスプレイ」というイメージに近い。
- ストレージは、2.5インチドライブなら、2基搭載可。(例)1基目:300GBのSSD、2基目:600GBのSAS
- 米HPでの発売は今年4月予定、価格はカスタマイズにより1899ドルから。
■使い勝手
- 従来のワークステーションラインナップで言えば、Z200~400シリーズ程度の位置づけか?ハイエンドを除く、ローからミドルあたりを狙っている模様。(CADやCAEのヘビーユーザーは、従来どおりZ800へ)
- 一体化していることで、ケーブルが少なくなり、ハンドリングは楽になる。(端末の移動等)
- 一体型でありながら、ストレージの交換もツールフリーでできるところは評価できる。ストレージを直接交換してデータを退避させたり、マスタデータをコピーしたりが可能。パネルの故障時にも、別の個体とストレージを入れ替えることで暫定復旧が可能。
- ユーザの環境(机の広さ)が変わるわけではないので、27インチというディスプレイサイズが、既存のユーザが許容できるのか、というところは一番の問題かも?
■総評
- 一般的には液晶一体型マシンはローエンドという固定概念があるが、本製品はミドル~ハイエンド版といったカテゴリーであり、インパクト大。MacにはiMacの27インチディスプレイモデルがあるので、あれのWin版というところだろうか。Graphicsボードがモバイル版Quadroを使っているので、比較的高価になってしまうのは、いたしかたない。
- デザインアイデアやメンテナンスのギミックは悪くないと思う。自作PCには出せない完成度。一体型というスタイルについては(従来品は)故障時対応やディスク入れ替えなどの自由度が少ないという弱点があるわけだが、本製品はパネルがツールレスで開口するという斬新なデザインなっていることで、安心して扱える。