■MicrosoftがOSバージョンアップ時にハードウエアのアップグレードを強制する姿勢について
Windows 8に関して、今時点でハッキリしていることは3つ。
1.タッチパネル機能がない環境では使い物にならない。新規PC購入ユーザならそれでもいいが、(自作PC派を含む)多くの既存のPCユーザを切り捨てる行為。
2.上記1の理由により、今回のWindows 8というバージョンは、過去でいうところのWindows Vista(2007年)やWindows Me(2000年)のような、黒歴史になるだろう。
3.ただ、Windows 8がビジネスの現場で完璧にスルーされようが、コンシューマにそっぽを向かれようが、Microsoftはこの程度のことで会社が傾いたりしないことは、過去の歴史が示すとおり。
なんか、つまんないね。
私がMicrosoftのやり方に嫌悪感を抱くもっとも大きな要素は、OSのバージョンアップ時にハードウエアのアップグレードを強制する姿勢だ。
Windows XP⇒Windows Vistaの時、OSは非常に重くなり、快適に使うためには高速なCPU(Core i シリーズやCore 2 Duoタイプ)を半ば強制していると感じた。そして、今回のWindows 7⇒Windows 8ではディスプレイをタッチパネルにするよう強制してきた。非常に不愉快だ。Microsoftという影響力の大きな会社が、そういう姿勢であってはならない。
■それでもPCは面白い
私もiPadやiPhoneを使っているので、タッチパネルのインタフェースの良さはわかる。個人的にも、タブレット端末が(今まで)PCでやっていた作業の何割かを奪うことになっているのも事実だ。
ただ、それでもPCは無くならない。私自身、PCを無くしたいとは全く思ってない。それから、「PC-OSとタブレット・スマートフォンOSが同じインターフェースになれば良い」とも、全く思えない。少なくとも、2012年の時点では。
PC用OSの自由度、大きいディスプレイ、使い慣れたフルサイズのキーボード、手に馴染むマウス。これらのアイテムに取って代わるような機能が、タブレット・スマートフォン端末から出てこない限り、当分は棲み分けて使うことになるだろう。
特に私の場合は、PCは自作のものを使っているため、部品の一つ一つを自分でメンテナンスができる。部品を必要に応じてアップグレードできるというのは、結果的に安上がりだし、1つの(PCという)箱を長く快適に使えるし、エコロジーという考え方にもつながると思う。そしてなにより、ひそかな楽しみでもあったり。そう、日曜大工的なもの。
最近も、SSD(180GB、512GB)を買い増ししたばかり。家族には理解されていないようだが、こういう楽しみが1つや2つあってもいいと思う。
こういう日曜大工的な楽しみが、「スマートフォンやタブレットのようなメンテナンスフリーな道具」に全て置き換わるとはとても思えないんだよね。2012年の時点ではね。
Windows 8 はMicrosoftの勇み足以外の何物でもない。Windowsシリーズの黒歴史の1つに加わるだろう。
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以上。