新聞でも、この話題がよく取り上げられるようになった。アンケート調査の結果などを掲載することが多い。一般的にも、子供のスマホ利用については危機感を持っている親御さんも多いのではないかな。スマホ以前とスマホ以降で、本質的には何が変わったのか。特に10代の若者のスマホ利用を想定して書きたいと思う。
スマホの実態と影響範囲
ネットワークに接続する機能を持ったコンピューターという意味では、PCもスマホも同じ。スマホは高性能なコンピューターだから。「携帯電話に付加価値が付いたもの」ではなく、「コンピューターに音声通話機能を付加したもの」というのが実態に近いと思う。
携帯電話からスマホへの切り替えを「機種変更」と読んでいるのは、敷居を下げてスマホに誘導したい通信キャリア側の言い分である。「電話を解約して、コンピューターを持ち歩くことにしますか?」と本来は説明すべき。親としては、子供にコンピューターを持たせるかどうかの覚悟を決めるべき。
PCを1人に1台に普及させることはできなかったが、スマホはそれを非常に短期間間に実現しようとしている。その普及後に何が起きるのかについて、まだ世間の想像力が追いついていない。だから、あらゆる場面で混乱が起きているように見える。教育現場、事件現場、そして家庭で。。。
自分専用のコンピュータを持つということは、さまざまな体験をどこででも味わうことが出来ることを意味する。「素晴らしいことじゃないか」という側面がある一方で、(親の監督下にある)10代の子供達のことを思うと、放置するだけではうまく回らないのではないか、という心配が出てくる。実際、問題がすでに起きている。
Facebook、LINE、出会い系サイト。。。
影響範囲は、これからますます広がっていくことが容易に想像できる。
何が起きているか気づきにくい
10代の若者がスマホを使うことがダメだと言ってるんじゃない。ただはっきり言えるのは、スマホ以前と比べて「周りの大人が、外から見た時に子供に何が起きているのかをすごく気づきにくくなった」。
電話しかない時代だったら、自分の子供がどんな相手と遊んでいるのか、とか、どんな場所で何をしているのか、とか、漏れ伝わることが少なからずあったはず。
若い頃は親にナイショで悪いことをしたくなる年頃だし、そういう気持ちは押さえつけることは難しい。私もそうだった。でも「イタズラ」とか「ちょっとした悪ふざけ」程度のことが「事件」に発展するまでの間に、何かしらのサインが出てるはずなんですよね。それを周りにいる大人たちが見つけて、叱るなり教えるなり、そういうことが今までの時代はできていた。
スマホ時代になり、そういうサインが、全部、あの小さな手のひらの板の中に入ってしまった。サインはどうやって見つけるんですか?
今まで以上に、家族間の会話によるコミュニケーションが必要になってきていると思う。子供が何を考え、どんな思いでいるのかを、全力で感じることが必要だから。
LINEを使わせない、とか、時間を決めるとか、そういう「制約」で押さえつけることには限界がある。親子の信頼関係とか、コミュニケーションを取ることとか、何が大切かを教えることとか、そういうことが本質だろうと思ってる。
以上。