以下の前回の記事の続編です。
【定光寺】石像に秘められた3つの真実~新聞社からの報告~ - Sakak's Gadget Blog
前回の記事の中で、3つの真実について書きました。
- 石像は徐々に増えていった
- 信子は別物説が有力
- 石像は何をテーマにしたのか
このうち、石像が何をテーマにしたのか、もう少し詳しい資料が出てきたので、写真とともに、エピソードを交えて紹介させていただきます。
また、ブログというメディアと新聞というメディアのコラボレーションによって何が今起きているのか、っていうことを最後に書いてみます。
1.新たに判明した石像に関するエピソード
元瀬戸彫塑クラブの彫刻家であり、以前、ブログを通じてやりとりをさせていただいたsammitさんに、記者さんが直接会って取材ができたそうです。取材の際には資料も作成していただいたそうで、詳しい話が聞けました。
作品のテーマと作った年代がほぼハッキリしました。
今日は、この記事のために、久しぶりに定光寺公園に写真を撮りに行ってきました。せっかくなので、いつもと少し違う構図で撮ってみたりしました。
▼作品:目玉
- 年代:1977年
- テーマ:「社会の動きをいつも見てるぞというメッセージ」だそうです。ある方は「政治腐敗」、別の方は「暴走族とか環境問題」とおっしゃっており、制作者一人一人がイメージしたものが違うようです。定光寺に置いた最初の作品というのは間違いないようです。
▼作品:ロダン像
- 年代:1980年
- テーマ:彫刻家のブールデルに心酔していたメンバーが多かったので、この像のテーマを「ブールデル像」と回答したメンバもいたそうですが、確度が高そうな情報源からは「ロダン像」という回答でした。
▼作品:女性像
- 年代:1982年
- テーマ:「水着でも」とメンバーが言ったにもかかわらず、素人のモデルさんが自ら全裸になってくれた、というエピソードをうかがいました。もう一人、私が「吉田」と名づけた女性像がありますが、あちらは1986年の作で、プロのモデルさんだったそうです。
▼作品:壊れゆく地球
- 年代:1984年
- テーマ:地球規模の環境問題に取り組んだテーマだそうです。
▼作品:男性像
- 年代:1987年
- テーマ:モデルはsammitさんご本人。海パン一丁で、自ら創作にも参加したそうです。
▼作品:兄弟力あわせて
- 年代:1988年
- テーマ:困難に立ち向かうイメージだそうです。
▼作品:叫び
▼作品:母子像
- 年代:1990年
- テーマ:共同制作の最後の作品。子供の方のモデルが、当時2、3歳だったメンバーの方の娘さんだそうです。共同制作も毎年していたわけではなく、メンバーの都合でできないこともあったようです。前回の記事で「右側の方が古い作品だ」という証言も、資料を紐解いてみると、違っていたようです。どちらかというと、左に行くほど新しい年代の作品でしたね。
▼作品:春田信子像
- 年代:1963年(像の表記による)
- テーマ:不明。もっとも確度の高い情報を持っていたsammitさんも、この「春田信子」石像については知らないと回答したそうです。ただ、クラブの実習では、首像作りが中心だったそうなので、「もしかしたら知らない古いメンバーが作ったかも」と、sammitさんがコメントされていたそうです。年代を信じるなら、この春田信子像は「目玉」よりもさらに14年も前(今から51年前)になりますから。現存する最古の作品が、この春田信子像ということになります。
以上が、現時点で判明した、作品名、テーマ、作られた年代の紹介でした。
よくここまでわかったな、と正直驚いています。もちろん、記者さんの取材力の賜物なのですが、感動すら覚えます。この場を借りてお礼申し上げます。
2.ブログ X 新聞 のコラボについて
今回、ブログというメディアと、新聞というメディアとが、タイアップして「謎を解き明かす」というプロジェクトをすすめることができたと(個人的に)勝手に思っています。
結論を言えば、すごく嬉しかったし、満足しています。
それと同時に、新聞というメディアって凄いなと。具体的に言えば、その取材力って凄いな、と思いました。新聞やテレビをオールドメディアと呼ぶこともありますけど、新聞というメディアの何の要素を取り上げてオールドと呼ぶのか、ちゃんと分けて考えないといけないんじゃないかと思いました。
少なくとも、記者さんの資質や、きちんと裏を取って取材を進めていくその取材力は、ぜんぜんオールドなんかじゃない。そこの部分は圧倒的に今も強力だと思います。
ブログのような、個人が趣味で発信するネットメディアは、ネットメディアにしかできない良さがある一方で、超えられない壁とか、限界とかもやっぱりあるんですね。例えば、今回の件でいえば、あの石像が何者で、誰がいつ何のために作ったのかっていう詳細なことは、おそらく、私だけの力では無理だった。
だけど、じゃあ、新聞というメディアが、こういうネタを自ら拾いあげて、それを短時間で一気に昇華させることができるかっていうと、やっぱりそれも難しいと思うんですね。こういうネタが新聞のネタとして期待されているのかどうかっていう話はとりあえず置いておくとして、ですが。
「一気に盛り上がる」「口コミで広げる、拡散する」っていうのは、ネットメディア、個人ブログの得意とするところだと思うのですよ。
今回のこの一連の流れで、メディアとメディアがコラボすることで、新しい何かが生まれるんじゃないかって気がしました。それぞれのメディアの世界の中だけでどうにかするには、おそらく限界がある。それぞれの得意なところを掛け合わせることで、すごい大きなエネルギーが生まれるんじゃないかって気がしました。
なんか、この先がいろいろ楽しみになってきました。やっぱり、何をやるにも「一歩、踏み出して」みないとだめですね。ネットの中だけでゴニョゴニョやって、成果を出すことができた時代はもう終わったと思います。今はその次の時代に来ているんじゃないかと思います。
追伸:
7月6日(日)の中日新聞の記事の「なごや東版」に紹介されました。著作権に配慮して解像度はわざと甘くしてあります。(記事のスペースが意外と多くてびっくり!)
新聞記事を全部読んでみたい方がいらっしゃいましたら、twitterかコメント欄等でお声がけください。
以上。