▼トヨタ「ハチロク」発売 ターゲットは若者世代 ― スポニチ Sponichi Annex カーライフ
ターゲットは若者世代?40代以上で子供に手がかからなくなったお父さんがセカンドカーで乗るクルマでしょ?250~300万円以上、ガソリン高、駐車場代、保険・車検料の固定費、そんなものを今の若者が許容できるのかな?
クルマを取り巻く状況は大きく変化した。今、必要なのは、エネルギー問題も含めて、どんな社会にしていくか、という未来デザイン。例えば、脱化石燃料とするならば、クルマのエネルギー源は電気が最終型で、まず1ステップはPHV(プラグインハイブリッド)だろう。全てのクルマをPHVにする、という目標を設定したなら、それに向かう都市作りに投資するべき。
エコカー補助といえば省エネに貢献しているというような印象は受けるけど、自動車メーカーの売り上げを伸ばすために国が(メーカーを)援助しているだけ。国がやらなければならないのは1民間企業を支援(延命)することではなく未来設計と、そこに向かうための支援。脱化石燃料ならPHVに向かわせるべき。
ハチロクというのも、今、この段階でなぜそのクルマを出してくるのか、という違和感を感じる。「若者にクルマを買わせる」という上から目線の考え方も気に入らない。「車が必要がない、お金を出す価値がない」と若者が言っているのに、そこで「スポーツカーを発売」=「若者が食いつく」という安直な発想が理解不能。価値観の変化に対する答えが、このクルマには出ていないのだ。つまり、価値観が変わってない、40代~50代以上のおっさんにしか、売れない。
ハチロクが、PHVだったら印象は違った。そして、ハチロクを出すと同時に全国に電気スタンドをコンビニ並の数に増やしたり、集合住宅への充電装置の設置を国とタイアップで急速に進める、とかね。「全ての車をPHV(又は電気に)」という目標の象徴みたいなクルマとして売り出すならいいなと思った。
どんなクルマを自動車メーカーが出してくるのか、を見ることで、そのメーカーがどんな未来を描こうとしているのか、を我々は受け取ることができる。今月、トヨタはハチロクを出してきた。我々はそれをどんなメッセージとして受け止ることができるのか?(私自身は)エネルギー問題が切迫しているこの状況で「若者世代をターゲット」というふれこみでハチロクを出してきたトヨタには「やっちゃったな」という感想しか持っていない。
以上。