先日の記事の最後に、新聞社からの取材を受けたことを書きました。
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その新聞記者さんからの調査報告が本日ありましたので、今日はそのことを書きたいと思います。
記事はまもなく出てくるようですが、取材の結果わかったことを事前に私に教えて下さるとのことで、事務所におじゃまして話を聞かせてもらいました。
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昭和30年頃に発足した「瀬戸彫塑クラブ」という集団が、この石像を作った方達です。この瀬戸彫塑クラブに属していた方の2~3名に、新聞記者さんが直接会ったり電話したりして情報を集めたとのことです。信ぴょう性が高いというか、まあ、石像を実際に作った方の証言ですので、これが真実だと思います。私自身も、ワクワクしながら記者さんの報告を聞かせていただきました。
真実その1.石像は徐々に増えていった
まず、この石像ですが、「瀬戸彫塑クラブ」による、年に1度の野外展示用作品だそうです。誰か1人が1体を担当して作ったわけではなく、このクラブに属している人の共同作品のようですね。毎年テーマを選定し、みんなで作品作りに取り組んだようです。1年に1体のペースで増えていったのでしょう。
最初、私がこの石像を目の当たりにした時に「全体を通じて何かのメッセージがあるのではないか」と考えたわけですが、まずはそこに誤解がありましたね。真実はそうではなくて、一体一体にテーマがあったんですね。テーマは年によって違ったようなので。それをあの場所に、横に並べていった、という。「瀬戸彫塑クラブ」ヒストリーだったわけですね。
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で、石像群の中で、最古の石像がどれだと思いますか?なんと、目玉の石像なのだそうです。
目玉の石像だけが設置場所が違うのですが、この石像も「瀬戸彫塑クラブ」によるものだということは裏が取れました。当初は、あの目玉の石像と同じ場所に、他の石像も置く予定だったらしいのですが、スペースの問題で、現在の場所に変更したらしいです。
目玉以外の石像についてですが、石像に向かって一番右が最も古く、左にいくにつれて新しい年代になる、という並びらしいです。
(こういう話を聞くと)石像群の、あの等間隔の並びがやけに不自然だったのも、なんとなく理解できますよね。最初からあれだけの数の石像を置くつもりだったら、もうちょっと全体のバランスを考えますもんね。
真実その2.信子は何をテーマにしたものか?
石像の並びでいえば、最も右端に位置するのが、この「春田信子」作品。じゃあ、この作品が最も古いのか?ってことになるのかと思ったら、聞いてビックリ。
なんと、この作品は「瀬戸彫塑クラブ」のものではない、という説が有力です。関係者の誰に聞いても「知らない」と言っているそうです。石像群の中で、この作品だけが、別物だったんですね。たしかに、これだけ「入れ物」に入っているし、テイストが全然違うし。
誰かが勝手に置いたという説か・・・ホントに誰だよ。
この公園自体は定光寺の和尚さんの管理なんだけど、和尚さん自体の記憶がかなり曖昧なことがわかりました。「瀬戸彫塑クラブ」っていうキーワードも記憶から消えていたらしく、「大学生に場所を提供した」くらいなことを電話で言っていたらしい。それくらい曖昧なので、春田信子がどこの誰かなのか、今となっては、和尚さんから何かを入手できる可能性は低いです。
とにかく、今日最大の発見は「信子は別物」という真実でした。
真実その3.石像のモデルは?
この「オヤジ」のモデルが誰なのかわかりました。
アントワーヌ・ブールデルというフランスの彫刻家(1861-1929)だそうです。ロダンのアシスタントもしていたそうだけど、なんか大物過ぎてよくわからない(笑)。
写真を見れば「たしかにそうだ。。。。」と思わずつぶやいてしまいたくなります。
いやあ、オヤジ呼ばわりしてごめんなさい。記者さんが私のブログ記事を印刷して、その瀬戸彫塑クラブの偉い人に見せた時にブールデル像の写真のところに「オヤジ」って書いてあるのを見て、苦笑いしていたそうです。
彫塑をやっている人たちが憧れるような、そんな凄い人なんでしょうね。
それから、このブリーフのモデルですが、これは、以前、自身のブログを通じて、彫塑クラブの存在を私に伝えてくださったsammitさんがモデルとなり、作ったそうです!これはちょっとびっくりしました。sammitさんのブリーフ姿だったのか!
この母子像も、彫塑クラブの中にいる方の、お子さんをモデルにして作ったそうです。
この石像は、戦争をテーマにした時のものらしく、時代背景的にはベトナム戦争などが影響して、テーマ選定されたようです。
目玉の石像については、政治腐敗とか、そういうものがテーマになっていて、「悪いことをしてもちゃんと見ているんだぞ」っていうことを表していたかな?とのことでした。
取材報告の最後に聞かれたこと
今日の報告の最後に、新聞の記事用にということで、私のコメントを求められました。で、一つ、答えに困ったのがありました。
それは「この石像を、みんなにも見てもらいたい?ですかね?」という記者さんからの問いかけでした。「みんなにも、見てもらいたいです!」っていう答えが期待されているのかな、と思いました。
でも、たぶんそういう感覚は、私の中にないよな、、、とあらためて思いました。
いや、なんか、そういうことではないんですよ。
わかる人にわかれば良いんですよ、こういうものは。私も、自分のことしか考えてないんで。自分の好きなことしか、やってないので。
新聞にのれば、たしかに近隣の方々の目に止まるようになるのかもしれない。でも、私自身はそういう雰囲気になることを願って、この記事を書いていたわけではないんだよな、、、と。
自分が好きだから。誰も見向きもしなくても良い。ただ、好きなものを追いかけているだけ。それが私が求めているものだし、それ以上でも以下でもないんですよ。
でも、本当にこの石像の話になると、私は目を輝かせて、子供のようにはしゃいでしまう。こんなに夢中になれるものに出会えて本当に良かったな、とあらためて思います。
また、石像の話で進展があったら、本ブログにてお伝えします。
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以上。