■クックパッドが示した未来
子供の時、未来の料理(調理)はロボットか全自動調理器具が作ってくれるようになるのかと思っていた。40年くらいたったけど、そうはならなかった。
だけど、クックパッドというサイトが1998年に誕生した。レシピコミュニティーサイトだ。私の家族がこのサイトを参考にしながら日々料理を作ってくれている。
クックパッドの存在って凄いと思うよ。着眼点が良い。「手軽にできる美味しい料理を作りたい」をかなえる手法としては抜群に良い。
サービス提供側がレシピを提供し続けるのではなく、ネットにつながる料理好きの方たちが、日々レシピをアップロードし、その巨大レシピ集をみんなでシェアしようというアイデアが素晴らしい。インターネットが生んだ、優れた使い方の1つだと思う。
料理ができる人は、レシピさえあれば、似たものを作ることができる。細かい分量は、自分カスタマイズすればいいし。「調理器具を全自動化して、少しでも楽をする」というアプローチではないところが気に入っている。電気メーカーはこういう発想には至らない。
これが、未来の形の1つなのだと思う。ロボットが料理を作ってくれることはこの先も(すぐには)なさそうだが、クックパッドがあるおかげで、私は食べたことがない新しい料理を日々口にできているのだから。
■ハードウエアがあふれかえる時代の次に期待すること
これからは、ハードウエアを売りまくって生活を豊かにするという手法ばかりではダメなのじゃないかと思う。例えばクックパッドの例でいえば、特別なハードウエアはいらない。ネットにつながるビューワさえあればいい。Webサービスで我々の生活を変えることができた素晴らしいソリューション。1つのアイデアが暮らしを変えていくことができる。
スマートフォン、タブレット、PC。新製品を数ヶ月毎に次々に投入してくる様は相変わらずだ。iPhoneを毎年買い変えるというのも、気持ちはわからないわけではないが(冷静に考えると)やりすぎな感じはする。買い手のほうの態度としては、ね(正直に言うとちょっとうらやましい気持ちもあるが)。
一つ一つのハードウエアを大切にしよう、とか、そういうことを言いたいわけではないけども、ハードウエアに振り回されて生きる必要があるのかは疑問を感じる。
そろそろ、ハードウエアありきではない何かもっと別の方法で生活を豊かにできるような変化をもたらすことを考えるべきだと思う。
そして、それには日本の製造業もハードウエアにこだわるのではなく「ソフトウエア+サービス+ハードウエア」を「1つの固まり」として提供できるように変わらないといけない。これからの未来はハードウエアありきではない。
以上。