出先で急に家族にiPadを(一時的に)貸さないといけない局面になった。
SNSをログアウトして、Safariの履歴を消して、あれとこれと、と…何となくドキドキしながら渡した。スマートフォンやタブレットが、PCと決定的に違って不便なのが、ココなんだよな。ユーザーアカウント毎の切り替えができない。個人に紐付けられている道具なんだ。家族で共有とか無理なんだ。「手帳や自分宛の手紙」と同じであり、家族にだって見られたくないものもあるからね。
自分のGoogleの検索履歴を見て、ギョッとしたね。最上級のプライバシー情報だと思った。「便利」という言葉に油断して、自分で想像している以上に「超個人的な」情報を書き込んでいる。SNSへ書き込む情報なら、なんとなく情報の公開範囲を意識しているのだけど、検索履歴って油断してるし。それに、Googleのアカウントは、訪問先サイトの履歴を共有する機能もあるでしょう。そう考えると、その道具が個人的かどうかというよりも、「個人アカウントでログインしている状態(パスワードが保存されている状態)の道具を人に貸す」行為が、トラブルの元になる可能性があるよね。スマートフォンやタブレットは、みんながそういう使い方をしている道具だし。
逆にもし、自分のスマートフォンやタブレットを「家族の誰にでも貸せるぜ」っていう人がいたら、たぶんその使い方はスマートフォンやタブレットの本領を発揮していない。「高機能な携帯電話」でもないし、「小さなパソコン」でもない。今まで誰も手にした事がないような、超ソーシャルな道具なのだ。プライバシーの固まりであり、しいて言うなら「ネットワークとコミュニケーション機能の付いたプライベート手帳」ってところか。家族で共有できるようなものではない。そこは、そもそも想定された機能であり、想定された使われ方だろう。