■新製品”nasne”とは何者か?
SONYから、突然、発表された新製品。ネットワークレコーダー&メディアストレージ。
▼1.SCE、PS3やVitaと連携する新デジタルレコーダ「nasne」 -AV Watch
▼2.【速報】 torneが進化!!! ソニー製品と連携するネットワークレコーダー&メディアストレージ
上記2.のサイトから引用すると、製品の要点は、以下。
- 簡単に言えばHDD内蔵の新型torne
- ネットワークストレージ機能つき(NASがnasneの名前の由来?)
- torneと違ってPS3がなくても他に対応機器(PSVita、VAIO、Sony Tablet、Xperia)があれば使える
- BSとCSに対応
- 複数接続して同時録画が可能(最大4台)
- torneと併用して2番組同時録画も可能
- torneと併用して衛星放送をPS3で視聴・録画ができる
- Vita専用のアプリ(torne)が年内に配信される
- Vitaやスマホなどのネットワーク経由で録画予約が可能
- HDD容量は外付けで追加可能
- torneアプリのVer4.0が初夏に配信予定
- 7月19日(木)発売で希望小売価格は16,980円
”torne”の高機能版(拡張版)という説明が、一言で端的に言い表している。
■革新的な商品か?
”torne”から拡張しているのは認めるものの、革新的な何かか?と言われると、微妙。過去の延長の商品である。
▼【Gadget】PS3-torneの完成度がなぜ家電に活かせないのか? - Sakak's Gadget Blog
上記の記事で私が書いているように、”torne”の洗練されたUIは革新的で、どのメーカのTVやレコーダーよりも優れている。だからこそ、その技術を使って、SONYのTVやBDレコーダーを含めて、TV周りを一新すればいいのに、とずっと思っていた。未だにそれは成し得ていない。
なぜ、こういう新しく優れた技術を持っているのに、それを生かさないのか。そして、古臭い技術を捨てないのか。
例えばこの”nasne”や”torne”にリソースを集中して、TV事業の中核に据え置くことだってできるのではないか?ファームウエアをバージョンアップしていくことで、TVというシステムを買った後からでも進化するという体験ができる。
「この黒い箱が、SONYが考えた未来のTVなんだ!」って言い切っちゃってもいいじゃんか、ってこと。
既存の「TV」や「レコーダー」はやめる。「パネルはどこのメーカーのでもいい、好きなものを買ってくれ」と言い放てばイイ。SONYはメインユニット開発にリソースを集中する。
「この黒い箱がTV?」と、首を傾げるのは想像力の低いお年寄りであって、若者は違うはずだ。
同じ会社でTVをどう視聴するか、という体験がいくつもあるのってわかりにくいでしょ?BRAVIAなの?BDレコーダーなの?”torne”なの?”nasne”なの?なんなの?
「TVは”nasne”で観る」というのがSONYが考えたTVの視聴体験なんだ、という気合が感じられない。そこが革新的だ、と感じないただ1つの理由。
SONYが苦しいのは、捨てたくても(事業が大きすぎて)捨てられないものがあることではないか。捨てられる社長にならない限り、誰が社長になっても同じだね。それができないと、せっかく良いモノがあっても、捨てるべきものが足を引っ張ることになる。
以上。